Steely Dan Discography [Artist STUV]
Steely Dan
スティーリー・ダンは、アメリカ東部から生まれた70年代で最もモダンなセンスを持ったグループ。以前はバンドの形式をとっていたが、現在はドナルド・フェイゲン(Donald Fagen)とウォルター・ベッカー(Walter Becker)の二人によるユニット。
ロックやポップスを基調としながら、ジャズ的なコードや意表をつくコード進行で曲にひねりを加え、一流のスタジオ・ミュージシャンを駆使した高度なアンサンブルを構築、その独特の音世界は内外のミュージシャン、音楽制作者に多大な影響を与えた。1950年代のジャズやR&Bが持つフィーリングを大切にし、ドナルド・フェイゲンの歌声と難解な歌詞との取り合わせも、スティーリー・ダンの個性を際立たせる重要な要素となっている。
Steely Dan - Do It Again (2006)
ドナルド・フェイゲンとウォルター・ベッカーはニューヨークのバード・カレッジ在学中に知り合い、共同で曲作りを始める。カレッジ卒業後(ベッカーは中退)二人は作曲家として活動するが仕事には恵まれず、Jay and the Americans のバックバンドなどで凌いでいた。この頃に作られたデモテープはBecker & Fagen 名義の作品集として、いろんな形でCD化されている。
ジ・アーリー・タイムズ・オブ・ドナルド・フェイゲン&ウォルター・ベッカー
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: コロムビアミュージックエンタテインメント
- 発売日: 1998/06/20
- メディア: CD
同じバックバンドにいたデニー・ダイアス(g)と合流し、母体となるバンドを結成。彼らの最初の仕事は、ザルマン・キング監督の映画「You Gotta Walk It Like You Talk It」のサウンド・トラックだった。
You Gotta Walk It Like You Talk It ... Or You'll Lose That Beat
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: El
- 発売日: 2006/08/29
- メディア: CD
ユー・ガッタ・ウォーク・イット・ライク・ユー・トーク・イット(紙ジャケット仕様)
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: インディーズ・メーカー
- 発売日: 2007/11/07
- メディア: CD
ABCレコードのプロデューサーのゲイリー・カッツに才能を見出された3人はロサンゼルスに移住。そこでジェフ・バクスター(g)、ジム・ホッダー(ds,vo)、デイヴィッド・パーマー(vo)と合流し、スティーリー・ダンが結成された。バンド名はウィリアム・S・バロウズの小説「裸のランチ」に登場する男性器の張型「Steely Dan III from Yokohama」に由来。
72年、プロデューサーにゲイリー・カッツ、エンジニアにロジャー・ニコルスという布陣で、1stアルバム「Can't Buy A Thrill」をリリース。シングルカットされた"Do It Again"は全米6位の大ヒットを記録、スティーリー・ダンは幸運なスタートを切った。
73年、デイヴィッド・パーマーが脱退するが、ドナルド・フェイゲンがメイン・ヴォーカルとなり2ndアルバム「Countdown To Ecstacy (エクスタシー)」をリリース。早くもトップ・グループの仲間入りを果たす。
74年、3rdアルバム「Pretzel Logic (さわやか革命)」をリリース。シングル"Rikki Don't Lose That Number (リキの電話番号)"が全米4位の大ヒットとなる。リック・デリンジャー、レイ・ブラウン、チャック・レイニー、デイヴィッド・ペイチといった一流ミュージシャンたちも参加し、特異な音楽スタイルを確立させた作品となった。
ジェフ・バクスターがドゥービー・ブラザース加入のために脱退、ジム・ホッダーに代わってジェフ・ポーカロ(ds)、そしてバッキング・ヴォーカルでマイケル・マクドナルドが加入。ゲスト・ミュージシャンには、リック・デリンジャー、ラリー・カールトン、デヴィッド・ペイチ、ジェフ・ボーカロという布陣で、4thアルバム「Katy Lied (嘘つきケティ)」(75)をリリース。
ゲスト・ミュージシャンを積極的に起用するドナルドとウォルターの考えは、結果的にデニーの脱退に結びつき、グループは彼ら2人だけのユニットになっていく。
76年、 5thアルバム「The Royal Scam (幻想の摩天楼)」をリリース。5人のメンバー以外に卓越したゲスト・ミュージシャンが多数参加し、よりジャジーな感覚を披露し、細部に渡って完璧なスタジオ・ワークにこだわった作品となった。
77年、6thアルバム「Aja (彩)」をリリース。全米3位、200万枚を売り上げる大ヒットを記録した彼らの代表作。グラミー賞最優秀録音賞を獲得するなど、評論家からも絶大な支持を受け、スティーリー・ダンの名声を決定的なものにした。デニー・ダイアスが本作を最後に正式にメンバーから外れ、スティーリー・ダンは名実共にベッカーとフェイゲンの2人だけのグループとなった。ジェフ・バクスターに続きマイケル・マクドナルドもドゥービー・ブラザースに正式加入(但し、数曲にバック・ヴォーカルで参加)、ジェフ・ポーカロもボズ・スキャッグスのアルバム参加を経て、スーパー・グループTOTOの結成へとむかっていた。起用されたバック・ミュージシャンは、ラリー・カールトン、リー・リトナー、トム・スコット、ウェイン・ショーター、スティーヴ・ガッドといった超一流どころ。
その後の彼らは、映画「FM」のメイン・テーマやベスト・アルバム「Greatest Hits」(78)こそ発表したものの、肝心のオリジナル・アルバムは発表せず、しばし沈黙。
80年、7thアルバム「Gaucho」をリリース。マーク・ノップラー、ブレッカー・ブラザース、デイヴィッド・サンボーン、パティ・オースチンなど豪華ミュージシャンの参加も話題となり、大ヒットを記録。莫大な費用もつぎ込んだこのアルバムは、最高傑作とまで呼ばれた。しかし、こうした絶頂期の中、スティリー・ダンは突然活動を休止してしまう。
82年、ゲイリー・カッツ・プロデュースによるドナルド・フェイゲンのソロ・アルバム「The Nightfly」をリリース。スティーリー・ダン時代のサウンドにさらに磨きをかけ、以前に劣らぬヒットと高い評価を獲得した。デジタル・マルチトラックレコーダーを使用した音響面のクオリティの高さも絶賛され、一時期はレコーディングエンジニアのサウンド・チェックの定番となっていたほど「音のいいアルバム」といわれていた。
Steely Dan - I.G.Y (1996)
一方のウォルター・ベッカーは麻薬中毒から脱するためにハワイに移住。85年にチャイナ・クライシスのプロデューサーとして音楽界に復帰した。その後はフェイゲン、ベッカーともどもさほど目立った活動をすることはなかったが、93年にフェイゲンの2ndソロ・アルバム「KAMAKIRIAD」をベッカーがプロデュースしたことをきっかけに2人での活動を再開する。ベッカーがベースとギターでも参加したスティーリー・ダン色の濃いアルバムとなった。
スティーリー・ダンとしてのリユニオン・ツアーもスタート。94年、フェイゲン&ベッカー共同プロデュースによるウォルター・ベッカーの1stソロ・アルバム「11 Tracks of Whack (11の心象)」をリリース。
95年、リユニオン・ツアーの模様を収めたスティーリー・ダン初のライヴ・アルバム「Alive In America」をリリース。
00年、20年ぶりの新作アルバム「Two Against Nature」をリリース。グラミー賞最優秀アルバム賞をはじめ4部門を獲得。20年のブランクを微塵も感じさせない独特のテイストは健在。01年には「ロックの殿堂入り」を果たし、02年にはアルバム「Aja (彩)」がグラミー殿堂入りを果たしている。
03年、スティーリー・ダンのアルバム「Everything Must Go」をリリース。前作やツアーを共にしたというメンバーとスタジオに入り、約1年間で完成させた作品で、バンド形式で演奏したものをそのままライヴ・レコーディング形式で録音。
06年、ドナルド・フェイゲンの3rdアルバム「Morph the Cat」をリリース。ニューヨークのアバター・スタジオほか、多数のスタジオを駆使してレコーディングした、13年ぶりとなるソロ・アルバム。
08年、ウォルター・ベッカーの2ndソロ・アルバム「Circus Money」をリリース。プロデューサーにラリー・クライン(ジョニ・ミッチェル、ハービー・ハンコック、メアリー・ブラックなど)を起用した作品。
08年、スティーリー・ダンのライヴ・アルバム「Steely Dan In Concert」をリリース。
Compilations
Greatest Hits (1979)
Gold (1982)
A Decade of Steely Dan (1985)
Reelin' In The Years: The Very Best Of Steely Dan (1987)
Reelin' In The Years: The Very Best Of Steely Dan
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: Telstar
- 発売日: 1999/02/16
- メディア: CD
Then and Now: The Best of Steely Dan Remastered (1993)
Then and Now: The Best of Steely Dan Remastered
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: MCA International
- 発売日: 2000/05/09
- メディア: CD
Citizen Steely Dan: 1972-1980 (1993)
Showbiz Kids: The Steely Dan Story 1972-1980 (2000)
Showbiz Kids: The Steely Dan Story 1972-1980
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: Universal Music TV
- 発売日: 2000/11/21
- メディア: CD
The Definitive Collection (2006)
Millennium Collection (2007)
20th Century Masters: Millennium Collection
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: Geffen
- 発売日: 2007/06/12
- メディア: CD
Piano Jazz: McPartland/Steely Dan (2005)
Piano Jazz: McPartland/Steely Dan
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: Jazz Alliance
- 発売日: 2005/03/15
- メディア: CD
The Nightfly Trilogy (2007)
Steely Dan
1972 Can't Buy A Thrill
1973 Countdown To Ecstasy (エクスタシー)
1974 Pretzel Logic (さわやか革命)
1974 Katy Lied (うそつきケイティ)
1976 The Royal Scam (幻想の摩天楼)
1977 Aja (彩(エイジャ))
1980 Gaucho (ガウチョ)
2000 Two Against Nature
2003 Everything Must Go
Live albums
1995 Alive in America
2000 Plush TV Jazz-Rock Party
Also featured on
2005 Marian McPartland's Piano Jazz with guests Steely Dan
Compilations
1978 Greatest Hits
1978 Steely Dan
1982 Gold
1985 Gold, Expanded Edition
1985 A Decade of Steely Dan
1985 The Very Best of Steely Dan: Reelin' In the Years
1987 The Very Best of Steely Dan: Do It Again
1993 Citizen Steely Dan
1993 The Best of Steely Dan: Then and Now
2000 Showbiz Kids: The Steely Dan Story, 1972-1980
2006 Steely Dan: The Definitive Collection
2007 The Millennium Collection: The Best of Steely Dan
2007 Found Studio Tracks
Donald Fagen
1982 The Nightfly
1993 Kamakiriad
2006 Morph the Cat
2007 The Nightfly Trilogy
Walter Becker
1994 11 Tracks of Whack
2003 Everything Must Go
2008 Circus Money
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