Santana Discography [Artist STUV]
Santana
サンタナは、米国のラテン・ロック・バンド。ギタリストのCarlos Santana(カルロス・サンタナ)を中心にしたグループで、1998年、ロックの殿堂入りを果たす。また、1999年に発表されたアルバム「Supernatural」は、第42回グラミー賞で史上最多の8部門受賞を果たした。
カルロス・サンタナは1947年7月20日、メキシコ・オウトランに生まれる。父親は、マリアッチでヴァイオリニスト、ホセ・サンタナで、息子に5歳の時にヴァイオリンを教えたが、彼はロックンロールを聴いて、61年にギターを手に入れ、ヒット曲をコピーしていた。BBキング、チャックベリー、フレディ・キングなどのブルース、R&Bに魅かれていく。
62年に、一家はサンフランシスコに移住するが、カルロスはメキシコに残り、ティファナのテキーラ醸造工場で働くかたわら、ギターの腕を磨く。その後サンフランシスコに移ったカルロスは、T・ボーン・ウォーカーや、後に義父となるサウンダース・キングなどに影響を受け、またジョン・コルトレーンやマイルス・デイビスのジャズ、ティト・プエンテやレイ・バレットなどのサルサに魅せられる。
66年、フィルモアで、ポール・バターフィールド・ブルース・バンドを見た彼は、マイク・ブルームフィールドと親交を深め、自分のバンドを結成することを決心する。そしてジャズ・セッションで知り合ったグレッグ・ローリー(key)、メキシコ時代の友人ロッド・ハーパー(ds)、ガス・ロドリゲス(b)、マイク・カラベロ(per)、トム・ブレイズル(g)らとサンタナ・ブルース・バンドを結成。
67年、フィルモアで演奏していた彼らは、オーナーのビル・グレアムに認められ、マネージメントを委ねる。そしてサウンドはブルースから、ラテンへと変革してゆく。
メンバー・チェンジも行われ、カルロスとグレッグ、マーカス・マーロン(per)、デヴィッド・ブラウン(b)、ボブ・ソヴィングストン(ds)の5人で「サンタナ」としてスタート。フィルモアにも度々出演するが、「スーパー・セッション」をステージで再現しようとした、アル・クーパーとマイク・ブルームフィールドのステージで、マイクが不眠症で倒れた穴埋めにカルロスが代役で出演、その時の演奏は「Live Adventures Of Michael Bloomfield & Al Kooper (フィルモアの奇蹟)」(69)の"Sonny Boy Williamson" で聴かれる。
同年暮れにCBSと契約するも、マーカスとボブが脱退、ブルース・バンド時代のメンバー、マイク・カラベロが再加入し、マイク・シュリーヴ(ds)とホセ・チュピート・アリアス(per)が加わるというメンバー構成になる。
69年、ウッドストック・フェスティバルへ出演し、「サンタナ」の名を一躍全世界に知られる。アルバム・デビュー直前のまだ無名な彼らは圧倒的な支持を受ける。この成功によりデビュー・アルバム「Santana」(69)をリリース。全米最高位4位を記録、100万枚以上を売り、108週にわたってランク・インされ、「ラテン・ロック」と呼ばれる。
そして彼らの名を不動のものにしたのが2ndアルバム「Abraxas (天の守護神)」(70)で、6週連続全米No.1を記録。"Black Magic Woman"(オリジナルはフリート・ウッド・マック)が最高位4位、サルサの巨匠ティト・プエンティの"Oye Como Va (僕ののリズムを聞いとくれ)"が13位、"Samba Pa Ti (君に捧げるサンバ)"は 、カルロスの「泣きのギター」で、幅広い支持を得る。
71年、3rdアルバム「Santana III」をリリース。全米No.1を5週連続独走するが、サウンドを強化するため、当時16歳のニール・ショーン(g)と4人のパーカッショニストを加える。
またこのレコーディング中に、フィルモア閉鎖のためのイベントに出演、その模様は映画「フィルモア最後の日」と同タイトルでライヴ・アルバムに収録された。
またアフリカで行われた「ソウル・トゥ・ソウル」にも参加。しかし、チュピート、デヴィッド、マイクが次々に脱退。サンタナは解散の危機に見舞われる。その後復帰したマイクとカルロス、ニールは、バディ・マイルス・バンドとともにハワイでコンサートを行い、その模様はアルバム「Carlos Santana & Buddy Miles Live!」(72)としてリリースされた。
Carlos Santana & Buddy Miles! Live!
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: Sony
- 発売日: 2008/02/01
- メディア: CD
72年、4thアルバム「Caravanserai」をリリース。インストゥルメンタル中心のジャズ的な作品で、精神性の高さを示した。その精神性は、カルロスとジャズ系のギタリスト、ジョン・マクラフリンとの交流に由来する。インドの導師スリ・チンモアの教えに従い「ディバディップ」の名を授かる。
それがきっかけとなり、マクラフリンとのジョイント・アルバム「Love,Devotion and Surrender - Carlos Santana & Mahavishnu John McLaughlin (魂の兄弟達)」(73)を制作。
この傾向は、敬愛するジョン・コルトレーンの未亡人アリスとのジョイント・アルバム「Illuminations - Carlos Santana & Alice Coltrane (啓示)」(74)にまで至る。
しかしその間に、ニールとグレッグはジャーニーを結成するために脱退、マイクもグループを離れツトム・ヤマシタのGOプロジェクトなどに参加、オートマティック・マンを結成する。
73年、ヴォーカルにレオン・トーマスを迎えた彼らは初来日し、そのステージを収録した3枚組ライヴ・アルバム「Lotus (ロータスの伝説)」(74)を日本のみでリリース。横尾忠則が手掛けた豪華22面体ジャケットは、後にマイルス・デイビスから製作依頼がくる見事な力作で、大きな話題となった。
また来日メンバーでの「Welcome」(73)もリリースされた。
バディ・マイルス・バンドとの共演から始まったフュージョン系のミュージシャンとの交流は続き、スタンリー・クラーク、フローラ・プリムらを迎えたアルバム「Borboletta (不死蝶)」(74)をリリース。しかし初めてアメリカでゴールド・ディスクを逃すアルバムになってしまう。
76年、アルバム「Amigos」をリリース。音楽は人を楽しませるものと悟り、よりポップな姿勢へと戻る。そしてカルロスの泣きのギターが聴かれるバラード"Europa (Earth's Cry Heaven's Smile) (哀愁のヨーロッパ)"は、日本でもヒットを記録。ジャケットは「Lotus」と同じ横尾忠則が担当している。
76年にはメンバー・チェンジが激しく、そんな中でチュピート、トム・コスタ(key)などと、アルバム「Festival」(76)のレコーディングを行う。
ヨーロッパ・ツアーには、レオン・トーマスが復帰。この時のライヴとスタジオ・レコーディングを組み合わせた2枚組アルバム「Moonflower」(77)をリリース。ベスト10入りした。
78年3月、エアロスミス、ハート、デイヴ・メイスンなどと「カリフォルニア・ジャム2」に出演、同名のライヴ・アルバム「California Jam 2」(78)には"Jugando"、"Dance Sister Dance"が収録された。
78年10月、アルバム「Inner Secrets (太陽の秘宝)」をリリース。今までになくポップで、ハードな音作りでファンを困惑させる。トラフィックの"Dealer"、クラシックス・フォーの"Stormy"、バリィ・ホリー曲"Well...All Right"など、カヴァー曲が目立ち、後者2曲はシングル・ヒットした。
79年3月、カルロス初のソロ・アルバム「Oneness: Silver Dreams Golden Realities」をリリース。半分は大阪でのライヴ、最高位87位と不振に終わる。
79年、サンタナとしてアルバム「Marathon」をリリース。大幅なメンバー・チェンジが行われ、アラン・パスカ(key)、アレックス・リジャードウッド(vo)などか加入。プロデューサーに、フリートウッド・マック、フォリナーなどを手掛けたキース・オルスンを迎え、全曲メンバーによるオリジナル。
80年、カルロスのソロ・アルバム「Swing Of Delight」をリリース。ハービー・ハンコック、ウェイン・ショーター、トニー・ウィリアムス、ロン・カーター、ハービー・メイスンなど、ジャズ・フージョン系のミュージシャンをゲストに迎えた2枚組。
81年、アルバム「Zebop!」をリリース。久々にカルロスとビル・グレアの共同プロデュースによる作品。全米最高位9位、世界各国で好セールスを記録し、600万枚を売り上げる。
82年、アルバム「Shango」をリリース。シングル"Hold On"が全米最高位15位など、前作同様、ポップ性の強い作品。ジャーニーを脱した元メンバーのグレイグ・ローリーが復帰、プロデューサーの一人に名を連ねている。
83年、カルロスの4年ぶりのソロ・アルバム「Havana Moon」をリリース。プロデュースにジェリー・ウェクスラーを迎え、ブッカー・T・ジョーンズ、ウィリー・ネルソン、ファビュラス・サンダーバーズなどが参加し話題を呼んだ。
85年、アルバム「Beyond Appearances」をリリース。
87年2月、アルバム「Freedam」をリリース。ジミ・ヘンドリックスとの共演で知られるドラマー、バディ・マイルスがボーカルを担当。
87年10月、カルロスのソロ・アルバム「Blues For Salvador」をリリース。
88年、フィルモア・デビュー20周年を記念した2枚組アルバム「Viva Santana!」をリリース。フィルモアやウッドストックをはじめ、ライヴ、リミックス、未発表曲を収録。
90年、アルバム「Spirits Dancing In The Flesh」をリリース。
91年、カルロスにとって心に大きな穴をあけられた年。ウッドストックにサンタナを売り込んだ偉大なプロモーター、ビル・グラハムとジャズ界の巨匠マイルス・デイビスがこの年に逝ってしまう。92年、このふたりに捧げられたアルバム「Milagro」をリリース。ラテン・ロック・サウンドが見事に復活した作品。
93年、ライヴ・アルバム「Sacred Fire - Live in South America」をリリース。
Sacred Fire: Santana Live in South America
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: Island
- 発売日: 2007/06/04
- メディア: CD
94年、アルバム「Santana Brothers」をリリース。サンタナ本人と兄弟のホルへ、甥っ子のエルナンデス3人のギターがフューチャーされたインスト作品。
95年、サンタナのコロムビア・レーベル集大成の3枚組・ベスト・アルバム「Dance of the Rainbow Serpent」をリリース。
99年、アルバム「Supernatural」をリリース。アメリカだけで1500万枚、全世界で2500万枚以上を売り上げる。シングル"Smooth"は、Billboard誌HOT 100で12週連続1位。グラミー賞史上最多の9部門を受賞した。
02年、アルバム「Shaman」をリリース。ミシェル・ブランチ、ダイド、シール、メイシー・グレイ、ニッケルバッグのチャド、ドミンゴなど豪華なゲストが参加。新進気鋭の女性シンガーソングラーター、ミシェル・ブランチをフィーチャーしたシングル"The Game Of Love"は大ヒットした。
05年、アルバム「All That I Am」をリリース。
その他の編集、ライヴ、ベスト盤など。
Live at the Fillmore 1968 (1997)
The Ultimate Collection (1997)
Between Good and Evil (1998)
The Best of Santana (1998)
The Best Instrumentals (1998)
The Best Instrumentals, Vol. 2 (1999)
Classic (2000)
Essential Santana (2002)
Ultimate Santana (2007)
Multi-Dimensional Warrior (2007-8)
The Best of the Fillmore Years (2008)
The Best of the Fillmore Years
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: Cleopatra
- 発売日: 2008/12/23
- メディア: CD
Albums with the band Santana
Santana (1969)
Abraxas (1970)
Santana III, (1971)
Caravanserai (1972)
Welcome (1973)
Lotus (Live) (1974)
Borboletta (1974)
Amigos (1976)
Festival (1977)
Moonflower (Live) (1977)
Inner Secrets (1978)
Marathon (1979)
Zebop! (1981)
Shango (1982)
Beyond Appearances (1985)
Freedom (1987)
Spirits Dancing in the Flesh (1990)
Milagro (1992)
Sacred Fire: Live in South America (1993)
Santana Live at the Fillmore (1997)
Supernatural (1999)
Shaman (2002)
All That I Am (2005)
Albums as a solo artist or in collaborations
Carlos Santana & Buddy Miles! Live! (1972; with Buddy Miles)
Love Devotion Surrender (1973; with John McLaughlin)
Illuminations (1974; with Alice Coltrane)
Oneness: Silver Dreams, Golden Reality (1979)
The Swing of Delight (1980)
Havana Moon (1983; with Booker T & the MGs, Willie Nelson, and The Fabulous Thunderbirds)
Blues for Salvador (1987)
Santana Brothers (1994; C.S. with Jorge Santana & Carlos Hernandez)
Carlos Santana and Wayne Shorter - Live at the Montreux Jazz Festival 1988 (2007)
Official compilations
Santana's Greatest Hits (1974)
Viva Santana! (Remixed Hits, Live & Previously Unreleased Collection) (1988)
Definitive Collection (Import) (1992)
Dance of the Rainbow Serpent (3-CD Box Set) (1995)
The Very Best of Santana (Single Disc Import) (1996)
The Ultimate Collection (3-CD Import) (1997)
The Best of Santana (1998)
Best Instrumentals (Import) (1998)
Best Instrumentals Vol. 2 (Import) (1999)
The Best of Santana Vol. 2 (2000)
The Essential Santana (2-CD 2002)
Ceremony: Remixes & Rarities (2003)
Love Songs (Import) (2003)
Hit Collection (2007)
Ultimate Santana (2007)
The Very Best of Santana (Live in 1968) (2007)
Multi-Dimensional Warrior (2008)
Tower Of Power Discography [Artist STUV]
Tower Of Power
タワー・オブ・パワー(略称TOP)は、アメリカ・カリフォルニア州オークランドで結成された白人黒人混成のファンク、R&Bバンド。バリトンサックスをフィーチャーした重厚なホーンセクションが大きな特徴。エミリオ・カスティーヨ(ts)を中心にスティーヴ・クプカ(bs)、グレッグ・アダムスtp)、フランシス・プレスティア(b)、デヴィッド・ガルバルディ(ds)などのメンバーで構成。 スタジオ・ミュージシャンとしても、リトル・フィートやヒューイ・ルイス&ザ・ニュースなどのバックをつとめてきた。
1968年、米国カリフォルニア州オークランドで結成された9人編成のブラス・ロック-ファンク・バンド。4人の管楽器と5人のリズム・セクションで構成。結成当初はモータウンズの名前で活動し、その後、拠点をサンフランシスコに移す。1970年、ジミ・ヘンドリックスの前座としてフィルモアに出演後、ビル・グレアムのレーベルからデビュー・アルバム「East Bay Grease」をリリース。
その後ワーナーと契約し、72年に2ndアルバム「Bump City」をリリース。シングル "You're Still A Young Man" は全米29位を記録。当時のメンバーは、リック・スティーブンス(vo、後にレニー・ウィリアムスに変わる)、グレッグ・アダムス(tp,fh)、ミック・ジレット(tp,fh,tr.)、スキップ・メスカイト(ts,fl)、エミリオ・カスティージョ(ts)、スティーブ・カプカ(bs)、ウィリー・ジェイムス・ファルトン(g)、フランシス・ロッコ・プレスティア(b)、デヴィッド・ガリヴァルディ(ds)、ブレント・バイヤーズ(cog)、ゲストとしてジェイ・スペル(p,org、後にチェスター・トンプソンがキーボードとしてメンバーに加わる)
73年、サックスのレニー・ピケット、ヴォーカルのレニー・ウイリアムスを迎えて、3rdアルバム「Tower of Power」をリリース。シングル"So Very Hard to Go (つらい別れ)"は全米17位を記録。代表曲"What Is Hip?"によってバンドはその名が知られるようになる。重厚なホーンセクションのみならず、16ビートを駆使した強力なリズムセクション、ソウルフルなバラードも彼らの持ち味だった。
74年、4thアルバム「Back To Oakland」をリリース。ファンク、ジャズ色を強めた作品。レニー・ウィリアムズのソウルフルなヴォーカルや、強力なブラス・セクションも最高のノリをみせる。
同年には、5thアルバム「Urban Renewal (オークランド・ストリート)」をリリース。
75年、6thアルバム「In The Slot」をリリース。
76年、ライヴ・アルバム「Live and in Living Color (ベスト・ライヴ)」をリリース。
70年代後半になると、ダンス音楽の流れはディスコ・ミュージックへと傾き、リズム・ボックスがそのサウンドの中心になっていく。ホーン・セクションを売り物にしていたバンドは、どんどん姿を消すか、そのスタイルを変えて行かざるを得ず、E,W&Fは、ド派手なディスコ・バンドになり、クール&ザ・ギャングも、大甘なバラード・グループになっていった。TOPは古巣のワーナーからコロムビアへ移籍する。
76年、「Ain't Nothin' Stoppin Us Now」をリリース。
78年、「We Came to Play」をリリース。
79年、「Back on the Streets」をリリース。
81年、「Direct 」をリリース。カリフォルニア州サンタ・バーバラに本拠を置く音質優先のレコード会社「シェフィールド・ラボ (Sheffield Lab)」のためにダイレクト・ディスクを録音。後に「Direct Plus」(97)として再発された。
TOPもメンバーチェンジを繰り返しながらも、70年代はコンスタントにアルバムを発表していたが、80年代前半はレコード会社との契約がなく不遇時代を過ごす。
しかし80年代半ばに大人気となったサンフランシスコ出身のヒューイ・ルイス&ザ・ニュースがホーンセクションとして彼らを起用したことで再び注目が集まり、1987年に復活する。
その後リリースされたアルバム、ライヴ、ベスト盤など。
Power (1987)
Monster on a Leash (1991)
T.O.P. (1993)
Souled Out (1995)
Rhythm and Business (1997)
Soul Vaccination:Live (1999)
Dinosaur Tracks(1982年録音未発表曲集) (1999)
What Is Hip? Tower of Power Anthology (1999)
What Is Hip?: The Tower of Power Anthology
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: Rhino / Wea
- 発売日: 1999/09/27
- メディア: CD
The Very Best Of Tower of Power The Warner Years (2001)
The Very Best of Tower of Power: The Warner Years
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: Wrong
- 発売日: 2001/07/21
- メディア: CD
Soul With a Capital "S": The Best of Tower of Power (2002)
Oakland's Own, In the Oakland Zone (2003)
Havin' Fun (2003)
What Is Hip? & Other Hits (2003)
What is Hip (2006)
East Bay Archive Volume 1 (2008)
Great American Soulbook (2009)
Studio albums
1970 East Bay Grease
1972 Bump City
1973 Tower of Power
1974 Back to Oakland
1974 Urban Renewal
1975 In The Slot
1976 Ain't Nothin' Stoppin' Us Now
1978 We Came to Play!
1979 Back on the Streets
1987 TOP (Only released in Europe)
1988 Power
1991 Monster on a Leash
1993 T.O.P.
1995 Souled Out
1997 Direct Plus
1997 Rhythm & Business
2003 The Oakland Zone
Live albums
1976 Live and in Living Color
1988 Direct
1997 Soul Vaccination: Live
2008 East Bay Archive Volume 1
Compilations
1974 Funkland
1999 Dinosaur Tracks
2001 The Very Best of Tower of Power: The Warner Years
2002 Soul With a Capital "S": The Best of Tower of Power
2003 Havin' Fun
2003 What is Hip & Other Hits
2006 What is Hip
Videos and DVDs
1986 Credit (The band's only music video, to date)
2003 Tower of Power in Concert (1998, Live at Ohne Filter, after return of Garibaldi)
2007 Live from Leverkusen (2005 November Show)
Steely Dan Discography [Artist STUV]
Steely Dan
スティーリー・ダンは、アメリカ東部から生まれた70年代で最もモダンなセンスを持ったグループ。以前はバンドの形式をとっていたが、現在はドナルド・フェイゲン(Donald Fagen)とウォルター・ベッカー(Walter Becker)の二人によるユニット。
ロックやポップスを基調としながら、ジャズ的なコードや意表をつくコード進行で曲にひねりを加え、一流のスタジオ・ミュージシャンを駆使した高度なアンサンブルを構築、その独特の音世界は内外のミュージシャン、音楽制作者に多大な影響を与えた。1950年代のジャズやR&Bが持つフィーリングを大切にし、ドナルド・フェイゲンの歌声と難解な歌詞との取り合わせも、スティーリー・ダンの個性を際立たせる重要な要素となっている。
ドナルド・フェイゲンとウォルター・ベッカーはニューヨークのバード・カレッジ在学中に知り合い、共同で曲作りを始める。カレッジ卒業後(ベッカーは中退)二人は作曲家として活動するが仕事には恵まれず、Jay and the Americans のバックバンドなどで凌いでいた。この頃に作られたデモテープはBecker & Fagen 名義の作品集として、いろんな形でCD化されている。
ジ・アーリー・タイムズ・オブ・ドナルド・フェイゲン&ウォルター・ベッカー
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: コロムビアミュージックエンタテインメント
- 発売日: 1998/06/20
- メディア: CD
同じバックバンドにいたデニー・ダイアス(g)と合流し、母体となるバンドを結成。彼らの最初の仕事は、ザルマン・キング監督の映画「You Gotta Walk It Like You Talk It」のサウンド・トラックだった。
You Gotta Walk It Like You Talk It ... Or You'll Lose That Beat
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: El
- 発売日: 2006/08/29
- メディア: CD
ユー・ガッタ・ウォーク・イット・ライク・ユー・トーク・イット(紙ジャケット仕様)
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: インディーズ・メーカー
- 発売日: 2007/11/07
- メディア: CD
ABCレコードのプロデューサーのゲイリー・カッツに才能を見出された3人はロサンゼルスに移住。そこでジェフ・バクスター(g)、ジム・ホッダー(ds,vo)、デイヴィッド・パーマー(vo)と合流し、スティーリー・ダンが結成された。バンド名はウィリアム・S・バロウズの小説「裸のランチ」に登場する男性器の張型「Steely Dan III from Yokohama」に由来。
72年、プロデューサーにゲイリー・カッツ、エンジニアにロジャー・ニコルスという布陣で、1stアルバム「Can't Buy A Thrill」をリリース。シングルカットされた"Do It Again"は全米6位の大ヒットを記録、スティーリー・ダンは幸運なスタートを切った。
73年、デイヴィッド・パーマーが脱退するが、ドナルド・フェイゲンがメイン・ヴォーカルとなり2ndアルバム「Countdown To Ecstacy (エクスタシー)」をリリース。早くもトップ・グループの仲間入りを果たす。
74年、3rdアルバム「Pretzel Logic (さわやか革命)」をリリース。シングル"Rikki Don't Lose That Number (リキの電話番号)"が全米4位の大ヒットとなる。リック・デリンジャー、レイ・ブラウン、チャック・レイニー、デイヴィッド・ペイチといった一流ミュージシャンたちも参加し、特異な音楽スタイルを確立させた作品となった。
ジェフ・バクスターがドゥービー・ブラザース加入のために脱退、ジム・ホッダーに代わってジェフ・ポーカロ(ds)、そしてバッキング・ヴォーカルでマイケル・マクドナルドが加入。ゲスト・ミュージシャンには、リック・デリンジャー、ラリー・カールトン、デヴィッド・ペイチ、ジェフ・ボーカロという布陣で、4thアルバム「Katy Lied (嘘つきケティ)」(75)をリリース。
ゲスト・ミュージシャンを積極的に起用するドナルドとウォルターの考えは、結果的にデニーの脱退に結びつき、グループは彼ら2人だけのユニットになっていく。
76年、 5thアルバム「The Royal Scam (幻想の摩天楼)」をリリース。5人のメンバー以外に卓越したゲスト・ミュージシャンが多数参加し、よりジャジーな感覚を披露し、細部に渡って完璧なスタジオ・ワークにこだわった作品となった。
77年、6thアルバム「Aja (彩)」をリリース。全米3位、200万枚を売り上げる大ヒットを記録した彼らの代表作。グラミー賞最優秀録音賞を獲得するなど、評論家からも絶大な支持を受け、スティーリー・ダンの名声を決定的なものにした。デニー・ダイアスが本作を最後に正式にメンバーから外れ、スティーリー・ダンは名実共にベッカーとフェイゲンの2人だけのグループとなった。ジェフ・バクスターに続きマイケル・マクドナルドもドゥービー・ブラザースに正式加入(但し、数曲にバック・ヴォーカルで参加)、ジェフ・ポーカロもボズ・スキャッグスのアルバム参加を経て、スーパー・グループTOTOの結成へとむかっていた。起用されたバック・ミュージシャンは、ラリー・カールトン、リー・リトナー、トム・スコット、ウェイン・ショーター、スティーヴ・ガッドといった超一流どころ。
その後の彼らは、映画「FM」のメイン・テーマやベスト・アルバム「Greatest Hits」(78)こそ発表したものの、肝心のオリジナル・アルバムは発表せず、しばし沈黙。
80年、7thアルバム「Gaucho」をリリース。マーク・ノップラー、ブレッカー・ブラザース、デイヴィッド・サンボーン、パティ・オースチンなど豪華ミュージシャンの参加も話題となり、大ヒットを記録。莫大な費用もつぎ込んだこのアルバムは、最高傑作とまで呼ばれた。しかし、こうした絶頂期の中、スティリー・ダンは突然活動を休止してしまう。
82年、ゲイリー・カッツ・プロデュースによるドナルド・フェイゲンのソロ・アルバム「The Nightfly」をリリース。スティーリー・ダン時代のサウンドにさらに磨きをかけ、以前に劣らぬヒットと高い評価を獲得した。デジタル・マルチトラックレコーダーを使用した音響面のクオリティの高さも絶賛され、一時期はレコーディングエンジニアのサウンド・チェックの定番となっていたほど「音のいいアルバム」といわれていた。
一方のウォルター・ベッカーは麻薬中毒から脱するためにハワイに移住。85年にチャイナ・クライシスのプロデューサーとして音楽界に復帰した。その後はフェイゲン、ベッカーともどもさほど目立った活動をすることはなかったが、93年にフェイゲンの2ndソロ・アルバム「KAMAKIRIAD」をベッカーがプロデュースしたことをきっかけに2人での活動を再開する。ベッカーがベースとギターでも参加したスティーリー・ダン色の濃いアルバムとなった。
スティーリー・ダンとしてのリユニオン・ツアーもスタート。94年、フェイゲン&ベッカー共同プロデュースによるウォルター・ベッカーの1stソロ・アルバム「11 Tracks of Whack (11の心象)」をリリース。
95年、リユニオン・ツアーの模様を収めたスティーリー・ダン初のライヴ・アルバム「Alive In America」をリリース。
00年、20年ぶりの新作アルバム「Two Against Nature」をリリース。グラミー賞最優秀アルバム賞をはじめ4部門を獲得。20年のブランクを微塵も感じさせない独特のテイストは健在。01年には「ロックの殿堂入り」を果たし、02年にはアルバム「Aja (彩)」がグラミー殿堂入りを果たしている。
03年、スティーリー・ダンのアルバム「Everything Must Go」をリリース。前作やツアーを共にしたというメンバーとスタジオに入り、約1年間で完成させた作品で、バンド形式で演奏したものをそのままライヴ・レコーディング形式で録音。
06年、ドナルド・フェイゲンの3rdアルバム「Morph the Cat」をリリース。ニューヨークのアバター・スタジオほか、多数のスタジオを駆使してレコーディングした、13年ぶりとなるソロ・アルバム。
08年、ウォルター・ベッカーの2ndソロ・アルバム「Circus Money」をリリース。プロデューサーにラリー・クライン(ジョニ・ミッチェル、ハービー・ハンコック、メアリー・ブラックなど)を起用した作品。
08年、スティーリー・ダンのライヴ・アルバム「Steely Dan In Concert」をリリース。
Compilations
Greatest Hits (1979)
Gold (1982)
A Decade of Steely Dan (1985)
Reelin' In The Years: The Very Best Of Steely Dan (1987)
Reelin' In The Years: The Very Best Of Steely Dan
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: Telstar
- 発売日: 1999/02/16
- メディア: CD
Then and Now: The Best of Steely Dan Remastered (1993)
Then and Now: The Best of Steely Dan Remastered
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: MCA International
- 発売日: 2000/05/09
- メディア: CD
Citizen Steely Dan: 1972-1980 (1993)
Showbiz Kids: The Steely Dan Story 1972-1980 (2000)
Showbiz Kids: The Steely Dan Story 1972-1980
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: Universal Music TV
- 発売日: 2000/11/21
- メディア: CD
The Definitive Collection (2006)
Millennium Collection (2007)
20th Century Masters: Millennium Collection
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: Geffen
- 発売日: 2007/06/12
- メディア: CD
Piano Jazz: McPartland/Steely Dan (2005)
Piano Jazz: McPartland/Steely Dan
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: Jazz Alliance
- 発売日: 2005/03/15
- メディア: CD
The Nightfly Trilogy (2007)
Steely Dan
1972 Can't Buy A Thrill
1973 Countdown To Ecstasy (エクスタシー)
1974 Pretzel Logic (さわやか革命)
1974 Katy Lied (うそつきケイティ)
1976 The Royal Scam (幻想の摩天楼)
1977 Aja (彩(エイジャ))
1980 Gaucho (ガウチョ)
2000 Two Against Nature
2003 Everything Must Go
Live albums
1995 Alive in America
2000 Plush TV Jazz-Rock Party
Also featured on
2005 Marian McPartland's Piano Jazz with guests Steely Dan
Compilations
1978 Greatest Hits
1978 Steely Dan
1982 Gold
1985 Gold, Expanded Edition
1985 A Decade of Steely Dan
1985 The Very Best of Steely Dan: Reelin' In the Years
1987 The Very Best of Steely Dan: Do It Again
1993 Citizen Steely Dan
1993 The Best of Steely Dan: Then and Now
2000 Showbiz Kids: The Steely Dan Story, 1972-1980
2006 Steely Dan: The Definitive Collection
2007 The Millennium Collection: The Best of Steely Dan
2007 Found Studio Tracks
Donald Fagen
1982 The Nightfly
1993 Kamakiriad
2006 Morph the Cat
2007 The Nightfly Trilogy
Walter Becker
1994 11 Tracks of Whack
2003 Everything Must Go
2008 Circus Money
Steve Winwood Discography [Artist STUV]
Steve Winwood
スティーヴ・ウィンウッド(Stephen Laurence "Steve" Winwood, 1948年5月12日 - )は、イギリス・バーミンガム出身のミュージシャン。15歳の時にスペンサー・デイヴィス・グループに参加。"Keep On Running"、"Gimme Some Lovin'"などのヒット曲で1960年代中盤に人気を博したが、グループ脱退後はトラフィックの中心メンバーとして成功を収めた。1970年代後半以降はソロ・アーティストとして活動。"Higher Love"(86)、"Roll with It"(88)などがヒットした。
1948年、イギリスのバーミンガム郊外グレート・バーに生まれたスティーヴ・ウィンウッドは、幼い頃からピアノやギターを習い始め、3歳年上の兄、マフ・ウィンウッドの影響で50年代アメリカのロックンロールに親しんでいった。リトル・リチャードが一番のヒーローで、エルヴィス・プレスリーをはじめレイ・チャールズ、サム&デイヴ、ジャッキー・ウィルソン、サム・クック、ジョージ・ジョーンズなど、そしてジュニア・ウォーカーのサックスも彼の歌い方に影響を与えた。やがて地元のフォーク・クラブに出入りし、兄がピーター・ヨークと共に結成したジャズ・バンドでピアノをプレイしていた。
1963年、バーミンガムのカレッジで教師をしていたスペンサー・デイヴィスと知り合ったスティーヴは、彼の結成したスペンサー・デイヴィス・グループに参加。key、g、vo、さらに後には作曲も担当。R&Bをベースにしたこのバンドは、1965年にレコード・デビューする。スペンサー・デイヴィス・グループ(Spencer Davis Group)のメンバーは、スペンサー・デイヴィス(vo, g)、スティーヴ・ウィンウッド(vo, key)、マフ・ウィンウッド(b)、ピート・ヨーク(ds)など。
ジョン・リー・フッカーのカバーであるシングル"Dimples"でデビューし、"Keep On Running"(65)が英国チャートで1位となり、この曲の成功によって一躍スターとなる。当時、スティーヴのヴォーカルは「最高のホワイト・ブルース・シンガー」という称号を与えられ、エリック・クラプトンを始め、一流のミュージシャンから大絶賛された。"Somebody Help Me"(66)、"Gimme Some Lovin'"(67)、"I'm a Man"(67) など数々の大ヒットを放ち、「Their First LP」、「Second Album」、「Autumn '66」といったアルバムをリリース。67年には「The Best of The Spencer Davis Group」も発表されたが、スティーヴはこのグループでは満足できず、1967年4月に脱退。それと前後して、エリック・クラプトンのパワー・ハウスとセッションしていたスティーヴは、67年夏にトラフィックを結成する。
トラフィック(Traffic)は、エリック・クラプトンが在籍していたクリームと並び、1960年代後半のブリティッシュ・ロック・シーン特有の、様々なジャンルの音楽とロックとの融合を試みる実験精神にあふれた、影響力の大きなバンドだった。
スティーヴ・ウィンウッド(vo、key)が中心となり、デイヴ・メイソン(g)、ジム・キャパルディ(ds)、クリス・ウッド(sax、fl)の4人により結成、1967年夏にデビュー。
バークシャーのアシュトン・タイロードにある一軒家でリハーサルを続けていたトラフィックは、"Paper Sun"でデビューし、これが全英トップ5入りする大ヒット、続いて発表した1stアルバム「Mr. Fantasy」(67)も大好評だったが、デイヴ・メイソンが他のメンバーと意見が対立し脱退。
1stアルバムのアメリカ編集盤「Heaven Is In Your Mind」。イギリス盤とは収録曲、ジャケットが違う。ヒット・シングル"Paper Sun"、デイヴ・メイソン作"Hole in My Shoe"を収録。脱退したデイヴ・メイソンを除いた3人での写真がジャケットに使われている。
68年に発表した2ndアルバム「Traffic」のレコーディングには復帰したものの、ステージ活動には参加せず、再び脱退。
また、キャパルディ以外の3人は、ジミ・ヘンドリックスのアルバム「Electric Ladyland」(68)のレコーディングに参加。
69年5月、スタジオ&ライヴ・アルバム「Last Exit」をリリース。
69年、ウィンウッドは、クリームの活動を終結させたエリック・クラプトンとジンジャー・ベイカー、リック・グレッチらと共に、ブラインド・フェイスを結成。トラフィックのバンドは一旦活動を休止する。
69年10月、アルバムに未収録だったシングル曲、"Paper Sun"、"Hole In My Shoe"などを収録したベスト・アルバム「Best Of Traffic」をリリース。
70年、アルバム「Blind Faith」を残して解散したブラインド・フェイスの後に、ジンジャー・ベイカーズ・エア・フォースに一時期参加したウインウッドは、それと並行してソロ・アルバムの制作を開始。
しかし、この作業中に再びジム・キャパルディ、クリス・ウッドと合流し、トラフィックが復活。その第一弾が、70年7月に発表されたアルバム「John Barleycorn Must Die」。
その直後に元ブラインド・フェイスのリック・グレッチ(b)を迎えたトラフィックは、フィルモア・イーストで行ったライヴを収録したライヴ・アルバム「Live November 1970」を71年3月に発表したが、スティーヴ自身が気に入らず、回収処分となり幻のアルバムに。
その穴埋めとして、71年7月のイギリス公演を収録したライヴ・アルバム「Welcome To The Canteen」をリリース。メンバー4人のほかに、ジム・ゴードン(ds)、元エアフォースのリーボップ・クァク・バー(per)、それにデイブ・メイソンまでが参加。 アルバム・ジャケットには「Traffic」というクレジットが記されていなかった。
ジムとリーボップが正式に参加したトラフィックは、71年11月、六角形のジャケットで話題を呼んだアルバム「The Low Spark of High Heeled Boys」をリリース。
その後、ジムとリック・グレッチが脱退。73年1月にはジミー・ジョンソン(g)、デヴィッド・フッド(b)、バリー・ベケット(key)、ロジャー・ホーキンス(ds)を迎え、ジャマイカ録音したアルバム「Shoot Out at the Fantasy Factory」を発表。
Shoot Out at the Fantasy Factory
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: Island
- 発売日: 2003/05/20
- メディア: CD
さらに同年行ったワールド・ツアーの西ドイツ公演を収録したライヴ・アルバム「On The Road」を、同年10月にリリース。
前作のスタジオ・ミュージシャンたちに代わり、元ゴンザレスのロスコー・ジー(b)を加えたトラフィックは、74年9月、ラスト・アルバムとなった「When the Eagle Flies」をリリース。75年に入って間もなく、トラフィックは活動に終止符を打つ。
解散後、スティーヴ・ウィンウッド、ジム・キャパルディはソロ活動へ。ロスコ・ジーとクリス・ウッドはセッション・ミュージシャンとして活動。しかし、83年にクリスは肝硬変のため他界する。
その後、日本人パーカッショニストのツトム・ヤマシタによるGOをはじめとするいくつかのプロジェクトへの参加を経て、1977年には自らの名を表題にした「Steve Winwood」でソロ・アーティストとしてデビューする。パンクブームの真っ只中にあってこのアルバムは今ひとつ大きな成功には至らなかった。
80年、シングル"While You See A Chance"が、ビルボードで最高7位まで上昇するヒットとなり、この曲の成功でアルバム「Arc Of A Diver」(81)も全米5位、全世界でのセールスのべ700万枚という大成功を収めた。
82年、アルバム「Talking Back To The Night」をリリース。
86年、アルバム「Back In The High Life」をリリース。ポール・サイモンやジェイムズ・テイラー、ジョージ・ハリスンなどのアルバムを手がけたことで知られるラス・タイトルマンをプロデューサーに、曲作りのパートナーにセリーヌ・ディオンやエリック・クラプトンなどへの作品提供で知られる作詞家のウィル・ジェニングスを迎えて制作されたこのアルバムは、全米3位まで上昇するヒットとなっただけでなく、グラミー賞を3部門も受賞した。また、このアルバムからのシングル"Higher Love"は、初の全米No.1ヒットとなった。
87年、ベスト・アルバム「Chronichles」をリリース。
88年、アルバム「Roll With It」をリリース。シングル・カットされた同名曲が再び全米1位を獲得、アルバムも初の全米1位を記録した。89年と91年には来日公演も行われた。
90年、アルバム「Refugees Of The Heart」をリリース。
94年、ウィンウッドとキャパルディがバンドを再結成し、トラフィック名義でアルバム「Far From Home 」をリリース。ウッドストック 1994の出演も果たす。
97年、アルバム「Junction Seven」をリリース。
98年、メイソン、キャパルディが、Dave Mason & Jim Capaldi 名義でツアーを行う。翌年にはツアーの模様を収録したライヴ盤も発表された。
03年、自ら立ち上げたレーベル、ウィンクラフトからアルバム「About Time」をリリース。
04年、1960年代の活動の功績が認められ、トラフィックのメンバーとしてロックの殿堂入りを果たす。これに伴ってトラフィックとしての活動再開も予定されていたといわれているが、05年1月にキャパルディが胃癌のために亡くなったことからこの話は立ち消えになってしまった。
07年7月、クロスロード・ギター・フェスティバルでエリック・クラプトンと共演し、ブラインド・フェイス時代の3曲などを演奏。
08年2月、マディソン・スクエア・ガーデンでエリック・クラプトンと3日間のコンサートを実現。4月には5年ぶりのアルバム「Nine Lives」をリリースした。
The Finer Things (1995)
Keep on Running (1996)
The Best of Steve Winwood (1999)
20th Century Masters - The Millennium Collection: The Best of Steve Winwood
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: Island
- 発売日: 1999/10/19
- メディア: CD
Classic (2003)
Ultimate Collection (2005)
Spencer Davis Group (UK albums)
1965 Their First LP
1966 The Second Album
1966 Autumn '66
Blind Faith
1970 Blind Faith
Traffic
(Studio albums)
1967 Mr. Fantasy
1968 Traffic
1969 Last Exit
1970 John Barleycorn Must Die
1971 The Low Spark of High Heeled Boys
1973 Shoot Out at the Fantasy Factory
1974 When the Eagle Flies
1994 Far From Home
(Live albums)
1971 Welcome to the Canteen
1973 On the Road (live on tour in Germany)
2005 Last Great Traffic Jam
(Compilation albums)
1969 Best of Traffic
1975 Heavy Traffic
1975 More Heavy Traffic
1991 Smiling Phases
1998 Heaven Is In Your Mind - An Introduction To Traffic
2000 Feelin' Alright: The Very Best Of Traffic
2002 The Collection
2003 The Best Of Traffic - The Millennium Collection
2005 Traffic Gold
Solo
1977 Steve Winwood
1981 Arc Of A Diver
1982 Talking Back To The Night
1986 Back In The High Life
1987 Chronichles (Best Album)
1988 Roll With It
1990 Refugees Of The Heart
1997 Junction Seven
2003 About Time
2008 Nine Lives
Tom Waits Discography [Artist STUV]
Tom Waits
トム・ウェイツ(Thomas Alan Waits,1949年12月7日 - )は、アメリカ・カリフォルニア州ポモナ出身のシンガーソングライター、俳優。
1973年にレコード・デビュー。「酔いどれ詩人」という異名で知られ、特徴的な嗄れた歌声、ジャズ的なピアノ演奏、しがない人々の心情をユーモラスに描きながらも温かい視線で見つめる独特な歌詞世界、ステージ上での軽妙な語り口でカルト的人気を博した。キャリア初期からポエトリー・リーディングも取り入れ、本人曰く、「得意楽器はボキャブラリー」。
1980年代からは実験的な音作りも取り入れ、1990年代以降は、グラミー賞の受賞や、ビルボード誌のアルバム・チャートでトップ40入りを果たす等、その個性がより幅広い層に認知されていく。キース・リチャーズ等の著名ミュージシャンからも高く評価され、トムの楽曲をカバーするミュージシャンも多数。
1978年以降は俳優としても活動し、とりわけフランシス・フォード・コッポラやジム・ジャームッシュといった映画監督と関係が深い。
カリフォルニア州ロサンゼルス郡ポモナ出身。幼い頃は、父が歌っていたアイルランド民謡や、ラジオで聴いたジャズに親しんだ。10歳の頃に両親が離婚し、姉2人と共に母親に引き取られてサンディエゴ郡ナショナルシティに移るが、父とも友好的な関係を続けた。
10代の頃はフォーク、ブルース、R&B、ジャズに傾倒し、当時流行していたロックには興味を示さなかった。トムは、自分に衝撃を与えた人物としてジェームス・ブラウン、ボブ・ディラン、ライトニン・ホプキンス、セロニアス・モンク等を挙げている。
16歳で高校を中退し、ピザ屋の店員として働く。この頃、ジャック・ケルアックなどのビートニク文学に影響を受け、また、仕事の合間に作詞・作曲を始めた。トムの2ndアルバム「Heart of Saturday Night (土曜日の夜)」に収録された曲"Ghosts of Saturday Night (After Hours at Napoleone's Pizza House)"は、この頃の経験を元にした歌。
1970年代初めにロサンゼルスに移り、クラブで歌うようになる。1971年にはハーブ・コーエン(当時フランク・ザッパ、アリス・クーパー、ティム・バックリィなどのマネージメントを担当)と出会い、初のデモ・テープを制作。この時の音源は、コンピレーション・アルバム「The Early Years, Vol. 1」(91)、「The Early Years, Vol. 2」(93)としてリリースされた。
1972年、当時は新興レーベルだったアサイラム・レコードと契約し、1973年にアルバム「Closing Time」でデビュー。商業的には成功しなかったが、収録曲"Ol' 55" は、イーグルスがアルバム「On the Border」(74)でカヴァーして話題となった。
1975年、「Nighthawks at the Diner (娼婦たちの晩餐)」をリリース。
1976年、初のヨーロッパ・ツアーを行う。同年、アルバム「Small Change」で初めて全米アルバム・チャートのトップ100にランク・イン(最高位89位)。大御所ジャズ・ドラマーのシェリー・マンが参加し、収録曲"Tom Traubert's Blues (Four Sheets to the Wind in Copenhagen)"は様々なミュージシャンにカヴァーされることとなる。
1977年1月、初の日本ツアーを行う。アルバム「Foreign Affairs (異国の出来事)」(77)ではベット・ミドラーと共演。同作のジャケットは、トムと恋人のリッキー・リー・ジョーンズ(当時はまだ歌手デビュー前だった)のツーショット写真。
1978年3月、2度目の日本公演を行う。10月にはアルバム「Blue Valentine」をリリース。ミュージカル『ウエスト・サイド物語』からのバラードで始まり、潰したような歌声で独特のセンチメンタリズムを放っていく。
また同年には、トムが端役で出演した映画『パラダイス・アレイ(Paradise Alley)』(監督・主演:シルヴェスター・スタローン)が公開され、俳優デビューを果たている。
1970年代末期にはリッキー・リー・ジョーンズと別れ、1980年代に入るとニューヨークに移る。この頃、映画監督のフランシス・フォード・コッポラと出会う。1980年8月には、コッポラの下で脚本編集者として働いていたキャスリーン・ブレナンと結婚。キャスリーンは、ソングライティングやプロデュースの面でも、トムをサポートしていく。
80年発表のアルバム「Heartattack and Vine」には、以後長きに渡ってトムの盟友となるベーシスト、グレッグ・コーエンが初参加。
1982年、トムが初めて音楽を担当した映画作品『ワン・フロム・ザ・ハート(One From the Heart)』(監督:フランシス・フォード・コッポラ)公開。トムは俳優としても端役(トランペット奏者役)で出演。本国アメリカでは興行的に失敗し、評論家にも酷評されるが、ヨーロッパでは好意的に評価された。クリスタル・ゲイルとの連名による同名のサウンドトラック・アルバムは、アカデミー編曲・歌曲賞にノミネートされた。
One from the Heart [DVD] [Import]
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1982年、実験的な音作りの新曲がアサイラム・レコードに難色を示されたことからアイランド・レコードに移籍。
83年、移籍第一弾アルバム「Swordfishtrombones」を発表。収録曲"Frank's Wild Years (ワイルドなフランクの話)"は、トムの脚本家デビューとなったミュージカル『フランクス・ワイルド・イヤーズ』(1986年6月初演)に発展していく。
1985年のアルバム「Rain Dogs」にはローリング・ストーンズのキース・リチャーズ(g)などがゲスト参加。収録曲"Downtown Train"は、後にロッド・スチュワートによるカヴァーが大ヒットを記録し、トムの代表曲の一つとなる。
トムは、ローリング・ストーンズのアルバム「Dirty Work」(86)にゲスト参加。
また、1986年にはトムの初主演映画『ダウン・バイ・ロー(Down by Law)』(監督・脚本:ジム・ジャームッシュ)公開。
1987年9月30日、ロイ・オービソンのロサンゼルス公演で、ブルース・スプリングスティーン、エルヴィス・コステロ、ジャクソン・ブラウン、ボニー・レイットなどと共にロイのバック・バンドに参加。この時のステージは、1989年にライブ・アルバム「Black & White Night」としてCD&DVD化された。
Black & White Night (2pc) (Sl Full B&W Dol Dts) [DVD] [Import]
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- メディア: DVD
また、アルバム「Franks Wild Years」(87)に伴うツアーの模様は録音・録画され、ライブ・アルバム『ビッグ・タイム』及び同名ドキュメンタリー映画として発表された。
ツアーで重要な役割を果たしたマーク・リボー(g)とマイケル・ブレア(ds)は、トムからの影響を公言する日本のシンガーソングライター、SIONのアルバム「春夏秋冬」(87)に参加し、エルヴィス・コステロにも気に入られ、コステロのアルバム「Spike」(89)にも参加する。
1990年3月、トムが音楽を担当したミュージカル『ブラック・ライダー』(ロバート・ウィルソン演出、ウィリアム・S・バロウズ脚本)がハンブルクで初演。1993年には、同作の楽曲を用いたアルバム「The Black Rider」が発表され、2004年には英語版(主演はマリアンヌ・フェイスフル)がロンドンで初演された。
The Black Rider (1993 Studio Cast)
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: Island
- 発売日: 1993/11/02
- メディア: CD
また、プライマスのデビュー・アルバム「Sailing the Seas of Cheese」(91)にゲスト参加。その後、プライマスのベーシストのレス・クレイプールは、度々トムのレコーディングに参加することになる。
1992年発表の「Bone Machine」では、再びキース・リチャーズと共演。グラミー賞の最優秀オルタナティヴ・レコード賞を獲得する。トムにとって初のグラミー賞受賞となった。
それと前後して、盟友ジム・ジャームッシュの監督映画『ナイト・オン・ザ・プラネット(Night on Earth)』の音楽を担当し、更に年末には、再びロバート・ウィルソン演出のミュージカル『アリス』の音楽を担当。同作の楽曲は、後に再レコーディングされ、アルバム「Alice」(02)として発表された。
Night On Earth: Original Soundtrack Recording
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: Island
- 発売日: 1992/04/07
- メディア: CD
1993年、現代音楽の作曲家ギャヴィン・ブライアーズのアルバム「Bryars: Jesus' Blood Never Failed Me Yet」(1971年に作曲された同名楽曲の再録)に、トムがゲスト参加。
Bryars: Jesus' Blood Never Failed Me Yet
- アーティスト: Gavin Bryars,Michael Riesman,Tom Waits
- 出版社/メーカー: Point Music
- 発売日: 1993/08/10
- メディア: CD
1994年には、ジョニー・キャッシュ『American Recordings』に、書き下ろしの新曲"Down There by the Train"を提供。トムも後に「Orphans: Brawlers, Bawlers & Bastards」(06) でセルフカヴァーした。
Orphans: Brawlers, Bawlers & Bastards
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: Anti
- 発売日: 2006/12/18
- メディア: CD
1995年、ティム・ロビンス監督映画『デッドマン・ウォーキング(Dead Man Walking)』のサウンドトラック・アルバムに、書き下ろしの新曲"Fall of Troy"、"Walk Away"を提供(アルバム収録のみで、劇中では使われていない)。
Dead Man Walking: Music From And Inspired By The Motion Picture
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: Sony Mid-Price
- 発売日: 1996/01/12
- メディア: CD
1999年、エピタフ・レコード傘下のアンタイ・レコード(Anti-)に移籍。その第一弾アルバム「Mule Variations」で、初めて全米トップ40入りを果たす。グラミー賞のベスト・コンテンポラリー・フォーク・アルバム賞を受賞。
また、ジャック・ケルアックのトリビュート・アルバム「Reads on the Road」(99)で、ジャックが生前録音していた詩の朗読に、プライマスと共に音楽をつける形で参加。旧友チャック・E・ワイスのアルバム「Extremely Cool」(99)にも、ボーカルやプロデュースで参加した。
2000年11月、トムと妻キャスリーンが音楽を担当したミュージカル『Woyzeck(ヴォイツェック)』(ゲオルク・ビューヒナーの戯曲が原作)がデンマークで初演された。
2002年には、アルバム「Blood Money」と「Alice」の2枚(両方とも、トムとキャスリーンが関わったミュージカルの楽曲を再録音したもの)を同日に発売。
また、デブラ・ウィンガーの出演映画『Big Bad Love』に新曲を2曲提供し、そのうち"Long Way Home" は、ノラ・ジョーンズがアルバム「Feels Like Home」(04)でカヴァー。
ラモーンズのトリビュート・アルバム「We're a Happy Family: a Tribute to Ramones」(03)にトムも参加し、"Return of Jackie & Judy"を歌う。
We're a Happy Family: a Tribute to Ramones
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: Sony
- 発売日: 2003/02/11
- メディア: CD
また、2003年9月21日、リチャード・ギアが主催したチベットの僧を救うためのベネフィット・コンサートに、グレッグ・コーエンと共に参加し、クロノス・クァルテットと共演。この時の演奏は、2007年にオムニバス・ライヴ・アルバム「Healing the Divide」として発表された。
2004年、アルバム「Real Gone」では、ピアノを一切使わないという新境地を見せた。
また、ロス・ロボスのアルバム「The Ride」(04)に収録曲"Kitate"でゲスト参加。2005年にはイールズ「Blinking Lights and Other Revelations」にも参加した。
Blinking Lights and Other Revelations
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: Dreamworks
- 発売日: 2005/04/25
- メディア: CD
2006年、アルバム未収録だった楽曲と新曲を合計54曲収録した3枚組CD「Orphans: Brawlers, Bawlers & Bastards」を発表。
Orphans: Brawlers, Bawlers & Bastards
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: Anti
- 発売日: 2006/12/18
- メディア: CD
The Asylum Years (1986)
Beautiful Maladies: The Island Years (1998)
Beautiful Maladies: The Island Years
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: Island
- 発売日: 1998/06/16
- メディア: CD
Used Songs 1973-1980 (2001)
New Coat of Paint: Songs of Tom Waits (2000)
New Coat of Paint: Songs of Tom Waits
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: Manifesto
- 発売日: 2000/05/30
- メディア: CD
Grapefruit Moon: The Songs of Tom Waits (2008)
Grapefruit Moon: The Songs of Tom Waits
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: Leroy
- 発売日: 2008/09/02
- メディア: CD
Albums
1973 Closing Time
1974 The Heart of Saturday Night (土曜日の夜)
1975 Nighthawks at the Diner (娼婦たちの晩餐)
1976 Small Change
1977 Foreign Affairs (異国の出来事)
1978 Blue Valentine
1980 Heartattack and Vine
1982 One from the Heart With Crystal Gayle (OST)
1983 Swordfishtrombones
1985 Rain Dogs
1987 Franks Wild Years
1988 Big Time
1992 Night on Earth (OST)
1992 Bone Machine
1993 The Black Rider
1999 Mule Variations
2002 Blood Money
2002 Alice
2004 Real Gone
2006 Orphans: Brawlers, Bawlers & Bastards
Compilations
Bounced Checks (Asylum, 1981)
Anthology of Tom Waits (Asylum, 1984)
Asylum Years (Asylum, 1986)
The Early Years, Volume One (Bizarre, 1991)
The Early Years, Volume Two (Bizarre, 1993)
Beautiful Maladies - The Island Years (Island, 1998)
Used Songs 1973-1980 (Rhino, 2001)
主な出演映画
パラダイス・アレイ Paradise Alley (1978)
アウトサイダー The Outsiders (1983)
ランブルフィッシュ Rumble Fish (1983)
コットンクラブ The Cotton Club (1984)
ダウン・バイ・ロー Down by Law (1986)
黄昏に燃えて Ironweed (1987)
チキンハート・ブルース Cold Feet (1989)
ミステリー・トレイン Mystery Train (1989)- 声のみの出演
フィッシャー・キング The Fisher King (1991)
ドラキュラ Bram Stoker'S Dracula (1992)
ショート・カッツ Short Cuts (1993)
蜘蛛女 Romeo Is Bleeding (1993)
フィッシング・ウィズ・ジョン Fishing with John (1997)
コーヒー&シガレッツ Coffee and Cigarettes (2003)
ドミノ Domino (2005)
人生は、奇跡の詩 La tigre e la neve (2005)
Van Morrison Discography [Artist STUV]
Van Morrison
ヴァン・モリソン(本名George Ivan Morrison、1945年8月31日 - )はイギリス(北アイルランド出身)のミュージシャン。高い音楽性と歌唱力で多くのミュージシャンからの尊敬を集める。2000年にロックの殿堂入り。
ゴスペル、R&B、ソウル、ジャズといった黒人音楽や、自身のルーツであるアイルランド音楽の要素などを煮詰めながら、オリジナリティ溢れる楽曲をマイ・ペースで発表し続けている。マスコミ露出が少なく、飛行機嫌いで外国へ出ることも少ないことからあまりその素顔が知られず、カリスマ性を高めている一因にもなっている。
ヴァン・モリスンは1945年8月31日、北アイルランドのベルファストに生まれた。父親は有名なレコード・コレクターで、母親はオペラ歌手だったことから、幼い頃からヴァンは音楽に親しみながら育ったという。ギター、ハーモニカ、ソプラノ・サックスなどをマスターした彼は、12歳の頃にはディニー・サンド&ジャレリスというスキッフル・バンドでプレイし始める。ハンク・ウィリアムスやレッドベリー、ジョン・リー・フッカー、マディ・ウォータースなどカントリー、ブルースなど米国の音楽を好んだ彼は、15歳で学校を中退。モナークスというバンドを始めた。ここでヴァンはハーモニカやサックスを担当し、メンバーらと共にイギリス~ヨーロッパ・ツアーも行っている。またモナークスはドイツの映画音楽に関わり、独CBSからシングル盤をリリースしたりもしていた。そして1963年、ヴァンは後にアイルランド随一のビートバンドとして評価されることになるゼムを結成。ゼムは元モナークスのヴァンを中心にビリー・ハリスンやギャンブラーズのメンバーが集まり出来たグループだった。
ゼムはいくつかのメンバー交替を経たのち、ロンドンへ進出。デッカ・レコードと契約を果たし、1964年9月に“Don't Start Crying Now”でデビューした。アイルランドではヒットしたが、イギリスでは話題となることなく終わる。
ゼムが人気を博すようになるのは1965年に発表されたビッグ・ジョー・ウィリアムスのカヴァー曲“Baby Please Don't Go”のヒットによってだった。当時イギリスで人気のあったTV音楽番組「レディ・ステディ・ゴー」の主題歌となったことがそのヒットの要因でもあった。このB面に収められていた曲がヴァン作の“Gloria”で、これは全米71位の小ヒットに甘んじたものの、60年代米ガレージ・バンドによって数多くカヴァーされ(1966年にシャドウズ・オブ・ナイトのカヴァーで全米10位)、後にドアーズ、パティ・スミスなどにカヴァーされることにもなる名曲となった。最大のヒット“Here Comes the Night”を経て、デビュー・アルバム「The Angry Young Them (ゼム・ファースト)」を1965年6月に発表。その後、相次ぐメンバー脱退を経て、1966年1月に「Them Again」をリリース。
しかし1966年、ヴァン・モリスンはゴタゴタしたバンド周辺の事情を考慮したこともあり、またプロデューサーのバート・バーンズ(バート・ラッセル)の勧めもあり、ゼムを脱退する。
The Angry Young Them (1965)
Them Again (1966)
Them Featuring Van Morrison (1985)
The Story of Them Featuring Van Morrison (1997)
The Story of Them Featuring Van Morrison
- アーティスト: Them
- 出版社/メーカー: Polydor
- 発売日: 1998/01/13
- メディア: CD
Gold (2005)
ゼムを脱退したヴァン・モリスンはアメリカに渡りバート・バーンズが立ち上げたバング・レーベルと契約、ソロ・アーティストとして再出発した。1967年に発表されたバングでのシングル“Brown Eyed Girl”はベスト10を記録するヒットとなりヴァンの再スタートは明るいものになるかと思えた。しかしアルバム「Blowin' Your Mind!」発表後、バートが急死。バートを慕ってアメリカにやってきたヴァンは失意に沈んだ。
Blowin' Your Mind! (1967)
そんな彼に救いの手を差し伸べたのがワーナー副社長のジョー・スミス。彼はヴァンをバング・レーベルから引き抜き、アルバムの制作をコーディネイトした。リチャード・デイヴィスらジャズ・ミュージシャンを起用した1968年発表のロック史に残る名作「Astral Weeks」。これがわずか2日間のべ16時間のセッションで録られたというのだから驚異的。M1~4には”イン・ザ・ビギニング”、M5~8には”アフターワーズ”というタイトルが付けられ、ヴァン・モリスンの個人史を想わせる作風が印象的。アコースティックな響きにフルート、ヴァイブなどが彩りを添える。ロックという枠では捉え切れない、ジャズ的な要素がある。当時のセールスは芳しくなかったが、今ではこのアルバムをヴァン・モリスンの最高傑作に挙げる人も多く、のちの評価が高い一枚となった。
Astral Weeks (1968)
1970年発表の「Moondance」も前作「Astral Weeks」に負けず劣らずの名作。ヴァン・モリソンのソウルフルなヴォーカルは本作でも絶好調。女声コーラスなどの入るナンバーなどは文句なしに盛り上がるし、ジャズ的な要素を巧みに用いて、渋いファンキーさを持つ曲に仕上げられたタイトル曲は白眉。
Moondance (1970)
前2作と同様、米国イーストコーストで制作された作品「His Band and the Street Choir。。ウッドストックでレコーディングされたということで、ウッドストック周辺に興味を持つ米ルーツ・ロック・ファンにも広く知られている。本作には彼のストイックな面とはやや異なるリラックスした楽しげな側面が垣間見られる。
His Band and the Street Choir (1970)
名盤「Astral Weeks」や「Moondance」と並び人気の高い名作「Tupelo Honey 」。アメリカ黒人音楽に洗礼を受けた英国・アイルランドのミュージシャンの自分探し、あるいは幻想としてのアメリカを解き明かすための巡礼。そんな安息を見出したのかのような作風。
Tupelo Honey (1971)
Saint Dominic's Preview (1972)
Hard Nose the Highway (1973)
1973年夏に行われたアメリカ、イギリス・ツアーの模様を収録した2枚組ライヴ盤「It's Too Late to Stop Now」。ホーン、ストリングスを導入した11人編成の「カレドニア・オーケストラ」がバックを務める。ゼム時代からの代表曲に加え、R&B、ブルースなどの名曲も披露。ヴァン・モリスン一流のパフォーマーとしての力量を感じ取れる好作品。
It's Too Late to Stop Now (1974)
アメリカ録音ながら、ストリングスやリコーダーなどを使ったヨーロッパ的陰影をも感じさせるサウンドが印象的な「Veedon Fleece」。内省的な方向性が強まり、一見シンプルで地味なようだが、ディープな味わいを醸し出している。
Veedon Fleece (1974)
A Period of Transition (1977)
ヴァン・モリスンの1978年度作「Wavelength (魂の叫び声)」。ザ・バンド『南十字星』と同じマリブのシャングリ・ラ・スタジオとイギリスのヴァージン・スタジオにて録音されている。キーボードをゼム時代からの仲間ピーター・バーデンスとザ・バンドのガース・ハドソンが担当。ジャッキー・デシャノンとの共作曲を収録。
Wavelength (1978)
マーキュリー移籍第一弾となる1979年度作「Into the Music」。表題はリッチー・ヨーク著のヴァン・モリスンの伝記から。前向きなイメージのM1「Bright Side of the Road」から、彼の心の解放を告げる作品。それはドラッグから逃れて神と出会うことによってもたらされた。ライ・クーダーが参加。
Into the Music (1979)
ヴァン・モリスンが1980年に発表した、コマーシャルな要素を排した宗教色の濃い作品「Common One」。15分を越す楽曲2曲を含む、大作6曲という構成。2部構成がとられている”Summertime In England”では、ワーズワース、ブレイク、エリオットなど詩人の名が綴られていく。
Common One (1980)
ヴァン・モリスンの1982年度作「Beautiful Vision」。ロンドンに居を移した彼だが、本作はアメリカで録音されている。後にアルバム「Irish Heartbeat」(88)で再演される”Celtic Ray ”を収録されており、ルーツ回帰が少しばかり仄めかされている。2曲でマーク・ノップラーが参加。
Beautiful Vision (1982)
宗教上の理由で音楽界からの引退を表明、という騒ぎで、ラスト作になるかと思われた1983年度作「Inarticulate Speech of the Heart (時の流れに)」。トラッド風のインスト4曲に挟まれたヴァン・モリスンの平穏な歌と語りが印象的な、彼にとってのゴスペル的作品。
Inarticulate Speech of the Heart (1983)
Inarticulate Speech of the Heart
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: Polydor UK
- 発売日: 2008/07/08
- メディア: CD
『魂の道のり(It's Too Late...)』以来となるヴァン・モリスンのライヴ・アルバム「Live At Grand Opera House Belfast」。当時は引退記念ラスト・ライヴと思われていた当ライヴは、故郷の北アイルランド、ベルファストはグランド・オペラ・ハウスにて行われた。11人のバックを従え穏やかな中にもスピリットを感じさせる歌声を披露。内容はマーキュリー以降の作品で占められている。
Live at the Grand Opera House Belfast (1984)
Live at the Grand Opera House Belfast
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: Mercury
- 発売日: 2008/07/01
- メディア: CD
宗教上の理由で引退...という宣言を撤回しての1985年度作「A Sense of Wonder」。宗教色は薄れており、精神的なものだけでなく世俗的テーマも扱うようになっている。レイ・チャールズの”What Would I Do ”、モーズ・アリスンの”If You Only Knew”をカヴァー。2曲でアイリッシュ・バンド、ムーヴィング・ハーツが参加している。
A Sense of Wonder (1985)
ヴァン・モリスンの1986年度作「No Guru, No Method, No Teacher (イン・ザ・ガーデン)」。冒頭曲”Got To Go Back”では望郷の念が歌われるが、米ミュージック・ビジネスの世界で長年活動してきたモリスンにとって深い意味が込められた一曲。原題はメディテーションの言葉から取られたもので、M5、M6のイメージとも相俟って、システム化された宗教とは別の、自然との対話から生み出された境地を思わせる。ドリーム・アカデミーのケイト・セント・ジョンがオーボエで参加。
No Guru, No Method, No Teacher (1986)
No Guru, No Method, No Teacher
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: Polydor
- 発売日: 2008/07/01
- メディア: CD
ヴァン・モリスンの1987年度作「Poetic Champions Compose」。前作とはメンバーを一新しているが、アコースティクで透明感ある音楽性に変化はない。冒頭とラスト曲ほか3曲がインストとなっており、ヴァン自身によるピアノ、サックスなどが聴ける。彼独自の世界が高い次元で表現されている一作。
Poetic Champions Compose (1987)
Poetic Champions Compose: Expanded & Reissued
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: Universal
- 発売日: 2009/02/23
- メディア: CD
Irish Heartbeat (1988)
マーキュリーからポリドールに移籍して発表された1989年の名作「Avalon Sunset」。企画色の濃かった前作「Irish Heartbeat」でひと区切りついたか、ここではヴァン・モリスン一流のソウルの「キモ」をスピリチュアルな穏やかさの中に表現している。宗教的なモチーフの冒頭曲”Whenever God Shines His Light ”はクリフ・リチャードとのデュエットで全英20位を記録。また”Have I Told You Lately That I Love You”は1993年にロッド・スチュアートでヒットしている。
Avalon Sunset (1989)
80年代の一時期の作品ではやや宗教がかった感触もあり近寄り難い雰囲気も醸していたヴァン・モリスンの音楽だが、「Enlightenment」では風通しの良い自然体を感じさせる音楽が楽しめる。ジョージー・フェイムが前作に続き参加。シンプルながらニュアンスに富んだヴォーカルとバックの軽快さがマッチした好作品。
Enlightenment (1990)
Hymns to the Silence (1991)
Too Long in Exile (1993)
デビュー以来紆余曲折を経て約30年のキャリアを歩んできたヴァン・モリスン。そんな彼が1994年に発表した充実の2枚組ライヴ盤「A Night in San Francisco」。ジョージ・フェイムを中心に安定したプレイを供給するバンドに加え、ジョン・リー・フッカー、ジュニア・ウェルズ、ジミー・ウェザースプーンといったブルースマンらがゲスト参加。ルーツであるR&B、ブルースを力強いパフォーマンスで披露する。
A Night in San Francisco (1994)
Days Like This (1995)
ジョージー・フェイムとの共同名義で1996年に発表されたヴァン・モリスン初の本格的ジャズ・アルバム「How Long Has This Been Going On」。フェイム&フレンズをバックに従え、ロンドンの老舗ロニー・スコッツ・ジャズ・クラブにて行われたステージの模様を収録。ジャズ・ナンバーとともにモリスン自身のナンバーをジャズ化したヴァージョンも聴くことができる。
How Long Has This Been Going On (1996)
How Long Has This Been Going On
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: Verve
- 発売日: 1996/01/09
- メディア: CD
Tell Me Something: The Songs of Mose Allison (1996)
Tell Me Something: The Songs of Mose Allison
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: Verve
- 発売日: 1996/10/08
- メディア: CD
ベン・シドラン、ジョージー・フェイムと共に制作したモーズ・アリスンのトリビュート作「Tell Me Something: The Songs of Mose Allison」に続き、発表された1997年度作「The Healing Game」。本人名義のソロ作としては「Days Like This」以来2年ぶりとなる作品。90年代に入り音楽を楽しんでいるといった感触が直に伝わってくるような作品が続いたヴァン・モリスン。ここでは更に円熟味を増した渋い音楽性を聴かせてくれる。
The Healing Game (1997)
ジョン・リー・フッカーとのコラボレーション作品であり、内容的にもBluesやR&Bに回帰した、と評されるアルバム「Back on Top」。シングル"Precious Time"はソロとしては初のTop 40ヒットを記録し、商業的にも成功を収めた。グラミー賞受賞作品。
Back on Top (1999)
The Skiffle Sessions - Live In Belfast 1998 (2000)
The Skiffle Sessions: Live in Belfast 1998
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: Point Blank
- 発売日: 2000/01/25
- メディア: CD
You Win Again (2000)
Down the Road (2002)
What's Wrong with This Picture? (2003)
What's Wrong with This Picture?
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: EMI
- 発売日: 2003/09/30
- メディア: CD
ヴァン・モリソンのポリドール復帰第2作目となる「Magic Time」。全12曲の収録曲のうち新曲が10曲、2曲がジャズのスタンダード曲のカヴァーで感情豊かにエナジーとエモーションに溢れる作品に仕上がっている。
Magic Time (2005)
ユニバーサル傘下のレーベルLost Highway移籍第一弾となる「Pay the Devil」は、カントリーとジャズを中心にしたスタンダード・カヴァー集。タイトル・トラックのほか、"This Has Got To Stop"と"Playhouse"は自身のベンによるオリジナル・ナンバー。
Pay the Devil (2006)
Keep It Simple (2008)
Astral Weeks Live (2009)
Best盤
The Best of Van Morrison (1990)
The Best of Van Morrison, Vol. 2 (1993)
The Best of Van Morrison, Vol. 2
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: Mercury
- 発売日: 1993/03/09
- メディア: CD
The Best of Van Morrison, Vol. 3 (2007)
The Best of Van Morrison, Vol. 3
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: Exile/Manhattan/EMI
- 発売日: 2007/04/23
- メディア: CD
At the Movies: Soundtrack Hits (2007)
At the Movies: Soundtrack Hits
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: EMI
- 発売日: 2007/02/13
- メディア: CD
Still on Top: The Greatest Hits (2008)
Still on Top: The Greatest Hits
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: Universal Japan
- 発売日: 2008/03/04
- メディア: CD
Them 時代
The Angry Young Them (1965) (with Van Morrison)
Them Again (1966) (with Van Morrison)
Them featuring Van Morrison (1985)
The Story of Them Featuring Van Morrison (1997)
Gold (2005)
Solo 時代
Blowin' Your Mind! (1967)
Astral Weeks (1968)
Moondance (1970)
His Band and the Street Choir (1970)
Tupelo Honey (1971)
Saint Dominic's Preview (1972)
Hard Nose the Highway (1973)
It's Too Late to Stop Now (1974)
Veedon Fleece (1974)
A Period of Transition (1977)
Wavelength (1978)
Into the Music (1979)
Common One (1980)
Beautiful Vision (1982)
Inarticulate Speech of the Heart (1983)
Live at the Grand Opera House, Belfast (1984)
A Sense of Wonder (1985)
No Guru, No Method, No Teacher (1986)
Poetic Champions Compose (1987)
Irish Heartbeat (1988)
Avalon Sunset (1989)
Enlightenment (1990)
Hymns to the Silence (1991)
Too Long in Exile (1993)
A Night in San Francisco (1994)
Days Like This (1995)
How Long Has This Been Going On (1996)
Tell Me Something: The Songs of Mose Allison (1996)
The Healing Game (1997)
Back on Top (1999)
The Skiffle Sessions - Live In Belfast 1998 (2000)
You Win Again (2000)
Down the Road (2002)
What's Wrong with This Picture? (2003)
Magic Time (2005)
Pay the Devil (2006)
Keep It Simple (2008)
Astral Weeks Live (2009)
Steve Miller Band Discography [Artist STUV]
Steve Miller Band
スティーヴ・ミラー・バンド(Steve Miller Band)はアメリカのブルース・ロック・バンド。1966年に結成、スティーヴ・ミラーを中心に活動。
ハイスクールで出会ったBoz Scaggsと“The Mrksmen”を結成したのがバンドの起源で、その後ボズと同じ大学に進学し、そこで出会ったBen Sidranも加わり、“The Ardells”を結成して本格的な音楽活動をスタート。1961年には“The Knightranes”で活動、Barry Goldbergと出会い、1965年に“The Goldberg-Miller Blues Band”を結成、のちに“Steve Miller Blues Band”となり、翌1966年に“Steve Miller Band”へと変遷していく。
サンフランシスコ出身の彼らがロンドンに出向き、ストーンズやフェイセズを手掛けたエンジニア、G・ジョーンズにプロデュースを任せたデビュー・アルバム「Children of the Future (未来の子供たち)」。ブルースを基軸を据えながら組曲のように流れてくサウンドは、米ローリング・ストーン誌に「ビートルズとブルースの結婚」と評された。
Children of the Future (1968)
スティーヴ・ミラーとボズ・スキャッグス(このアルバムを最後に脱退)の2枚看板が織りなすサイケデリック・ブルース・ロック。マーティン・ルーサー・キングやロバート・ケネディが暗殺された後にリリースされ、バイクの爆音とともに去っていくシングル「Living in U.S.A.(アメリカ万歳)」は、醒めた皮肉の持ち味がグループの印象を決定づけた。
デビュー・アルバム「Children of the Future」はBillboardトップ100に入らなかったが、アンダーグラウンド・ラジオで評判を呼び、再びG・ジョーンズとロスアンジェルスで録音した、この2ndアルバム「Sailor」は24位と健闘。
Sailor (1968)
1969年、ボズ・スキャッグスがグループを抜けて3人になったバンドはベン・シドランを迎えて3rdアルバム「Brave New World (すばらしき新世界)」を録音。
マスター・テープをG・ジョーンズのいるロンドンに持ち運んだ日、オリンピック・スタジオでビートルズのメンバーに出会う。ポール・マッカートニーとジョン・レノンがアルバム「Get Back」のヴォーカルのダビングをしていて、翌日再び訪れた際にポール・マッカートニーとジョージ・ハリソンとセッションを行う。ハリソンが帰宅した後マッカートニーがドラム、ベース、ヴォーカルを担当した「My Dark Hour」を録音する。69年にはニッキー・ホプキンスとともに「Your Saving Grace」をリリース。
前2作同様のブルース・ロックが展開され、シングル「Space Cowboy」は捉えどころのないミラーのサウンドを示す言い得て妙の曲で、彼のキャッチ・コピーにもなった。
Brave New World (1969)
ニッキー・ホプキンスのピアノをフィーチャーした大作「Baby's House」に顕著なスティーヴ・ミラーの全方位的音楽趣向が際立つ4thアルバム「Your Saving Grace」。60年代終わりのサンフランシスコ・ロックの熱っぽさを残した気だるいサウンドが、切れ目なく続き、ある種の様式美を確立している。
Your Saving Grace (1969)
グレイトフル・デッドやジミ・ヘンドリックスらとのツアーやレコーディングを繰り返し、1970年のリー・マイケルズやナッシュビルのエリア・コード615、チャーリー・マッコイなど実験的なセッション・レコーディングのアルバム「Number 5」をリリースする頃にはミラー以外のメンバーはすべて変わってしまう。ボビー・トンプソン、ジミー・ミラー、バド・ビリングスとゲストは多彩。
Number 5 (1970)
6thアルバム「Rock Love」は、スティーヴの12弦ギターの醍醐味や、トリオの織りなすインター・プレイが楽しめる。ライヴとスタジオ録音で、サウンドの差異が浮かび上がる。が、ロックにブルースをかけ合わせる様式も煮詰まってきている。
スティーヴ・ミラーは1971年に起こした自動車事故により首を痛めてしまい長期間休養に入る。
Rock Love (1971)
7thアルバム「Recall the Beginning...A Journey from Eden (エデンからの旅)」は、ストリングスの多用が効果をあげ、映画のサウンドトラック的趣きを醸し出す。R&Bクラシックス、ブルース、ジャズの各エッセンスに幻想的な味付けを施したアレンジは、ニック・デ・カロの手による。ジム・ケルトナー、ジェシー・デイヴィスなどLAのミュージシャンが参加。
Recall the Beginning...A Journey from Eden (1972)
Anthology (1972)
Living in the USA (1973)
1972年、Steve Miller(g)、Jack King(ds)、Gerald Johnson(b)、Dicky Thompson(key)で活動を再開、フリートウッド・マックらとツアーを行い、1973年、8thアルバム「The Joker」をリリース。
アルバムは100万枚を超えるプラチナ・ヒットとなり、シングル「The Joker」は、Billboard Hot100のナンバー・ワン・ヒットに輝いた。アルバムの制作権はスティーヴ・ミラーに委ねられることになる。
シンプル&キャッチーに徹した軽快なロックンロールとブルース・ナンバー、共にツボを押さえた職人芸を見せつけた充実のアルバム。
The Joker (1973)
1976年、旧知のLonnie Turner(b,vo)、Gary Mallaber(ds)とともに9thアルバム「Fly Like an Eagle (鷲の爪)」をリリース。400万枚を超えるプラチナを記録し、スティーヴ・ミラー・バンドのキャリアで最盛期を迎える。前面にシンセサイザー・サウンドを打ち出し、R&Bという彼らのルーツを元に、ダンス・フロアを騒がせた。
Fly Like an Eagle (1976)
前作で得た成功を手がかりに、スティーヴ・ミラー節とでも呼ぶべき音楽性を推し進めたアルバム「Book of Dreams (ペガサスの祈り)」。クールな哀愁をたたえたスティーヴのヴォーカルも緩急自在にコントロールを利かす。
Book of Dreams (1977)
Greatest Hits 1974-1978 (1978)
予定されていたライヴ・アルバムをキャンセルし、4年ぶりに発表されたアルバム「Circle of Love (愛の神話)」。ファンキー・チューンなどの曲で賛否両論、議論を呼んだ。
Circle of Love (1981)
アルバム「Abracadabra」からのタイトル曲と「Give It Up」はスティーヴ、他の8曲はアルバム「Fly Like an Eagle」以来の固定メンバー、ゲイリーの作品。プロデュースも、この2人が共同で担当している。単調なリズム、SEとして用いられるシンセサイザー、それに醒めたヴォーカルが不思議な軽さを出し、プラチナ・ディスクに輝いた。
Abracadabra (1982)
アルバム「Abracadabra」のメンバーにNorton Buffalo(hca,vo)を加えた初のフル・ライヴ・アルバム「Steve Miller Band Live! (ペガサスの復活)」。「Sailor」から前作までのヒット曲を網羅。エンターテイナーとしての彼らの技量を示す遊び感覚と熱気のこもった演奏、特にスティーヴのギターが聴きどころ。
Steve Miller Band Live! (1983)
アルバム「Italian X Rays」はスタジオ録音。前作以上にシンセサイザーの多用が目立つが本質的には変わっていない。ファンク、テクノポップ風など曲調は変わっても、軽やかでポップなロックンロール。
Italian X Rays (1984)
白人ブルース・バンドとしてスタートを切った彼らの結成20周年記念アルバム「Living in the 20th Century」。ワンマン・バンドゆえオリジナル・メンバーで残っているのはスティーヴ1人。その彼が音楽的ルーツを存分に披露する渋めの作りで、シカゴ・ブルースのジミー・リードとウイリー・ディクソンのカヴァーなど5曲、演奏している。
Living in the 20th Century (1986)
Born 2 B Blue (1988)
The Best of 1968-1973 (1991)
Wide River (1993)
The Very Best of Steve Miller Band (1996)
Greatest Hits (1999)
King Biscuit Flour Hour Presents The Steve Miller Band (2002)
King Biscuit Flower Hour Presents the Steve Miller Band
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: King Buiscuit
- 発売日: 2003/06/10
- メディア: CD
Young Hearts - Complete Greatest Hits (2003)
Young Hearts: Complete Greatest Hits
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: Capitol
- メディア: CD
Young Hearts: Complete Greatest Hits
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: Capitol
- 発売日: 2003/09/01
- メディア: CD
Fly Like an Eagle (30th Anniversary Edition) (2006)
FLY LIKE AN EAGLE: 30TH ANNIVERSARY
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: Capitol
- 発売日: 2006/06/28
- メディア: CD
Steve Miller Live in Chicago (DVD) (2007)
Live From Chicago (3pc) (W/CD) [DVD] [Import]
- 出版社/メーカー: Coming Home Studios
- メディア: DVD
The Sessions (2007)
(Live From Shady Grove, Washington 1973 & The Beacon Theater, New York 1976)
Children of the Future (1968)
Sailor (1968)
Brave New World (1969)
Your Saving Grace (1969)
Number 5 (1970)
Rock Love (1971)
Recall the Beginning...A Journey from Eden (1972)
Anthology (1972)
Living in the U.S.A. (1973)
The Joker (1973)
Fly Like an Eagle (1976)
Book of Dreams (1977)
Greatest Hits 1974-1978 (1978)
Circle of Love (1981)
Abracadabra (1982)
Steve Miller Band Live! (1983)
Italian X Rays (1984)
Living in the 20th Century (1986)
Born 2 B Blue (1988)
The Best of 1968-1973 (1991)
Wide River (1993)
The Very Best of Steve Miller Band (1996)
Greatest Hits (1999)
King Biscuit Flour Hour Presents The Steve Miller Band (2002)
Young Hearts - Complete Greatest Hits (2003)
Fly Like an Eagle (30th Anniversary Edition) (2006)
Steve Miller Live in Chicago (DVD) (2007)
The Sessions (2007)